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2017年03月26日

お雛さんに誘われて 園部〜天引峠旧道〜篠山

2017年03月19日 JR園部駅→京都府道54号→国道372号旧道→天引峠→福住→日置→篠山市街→JR篠山口駅

 3月3日はひなまつり。最近は地域の交流や観光行事として雛祭りイベントをおこなう所があちこちあります。古い街道の街並などの普段とは違う様子が見れるので、この時期は狙ってお出かけしています。現在の暦で3月3日はまだ寒く春の花も乏しく、まだ雪の所もあります。そこで、山沿いや北の方では月遅れで4月3日に雛祭りをする所があります。この頃ならちょっとお出かけもしやすくなります。

 地域振興として雛祭りをする街にもいろいろあります。普通に観光客が訪れるような所もあれば、昔の街道街などでなかなか遠方から訪れる人の多くない所もあります。鉄道駅から遠いなどで、地元の生活が自家用車に依存するようになると、余計に公共交通が貧弱になります。そういった所へ行くのに役立つ手段のひとつが自転車。
 観光対象となる景観地区などのエリアが駅からある程度広いとか駅から離れているというような場合、駅前にレンタサイクルがある所があります。昨年訪れた竹原ではこれを利用して楽に街巡りができました。しかしレンタサイクルは台数に限りがあり、予約ができず利用できない場合もありますから、これに頼った計画はリスクが大きいです。そこで昨年は小型軽量の折り畳みの自転車を導入しました。平坦地であれば駆け足程度の速さで総計十数m程度の行動ができます。大げさに見えなくて多少の荷物も積めます。今年の亀岡の城下町エリアの雛祭り訪問にはこれを活用しました。
 逆に自転車前提で考えると、別の可能性が出て来ます。サイクリング用の自転車であれば、より長い距離を走れますから、駅から遠い所や広く分散した会場を回ることもできますし、周辺地域も併せて見て回ることができます。お出かけ自転車の難点は、嵩張って重いこと、分解組み立てに時間がかかること、土産物などあまり積載できないこと、頻繁に駐停車するのに適していないことです。

 地域の雛祭りイベントの情報を集めている中に「丹波篠山ひなまつり」という催しがありました。観光地でもある篠山市街のほか、市内のいくつかの集落を会場にして、3/18〜3/26の開催。篠山の市街は鉄道駅からは離れていますが、バス交通が容易です。
 当初はバス利用で篠山市街だけ見に行くつもりだったのですが、お出かけ自転車を利用して以前から気になっていた場所を訪ねることにしました。会場のひとつの福住の『田舎の街道集落』は伝統的建造物群保存地区になっていますが、バスでの訪問がたいへん難しい場所です。

 篠山は丹波地域の中核となる城下町ですが、奇妙ないきさつで鉄道に裏切られてきた歴史があります。最初は京都から亀岡・篠山・社を経て姫路に至る「京姫鉄道線」が計画され、これとの絡みもあったらしく「阪鶴鉄道(現福知山線)」は市街地からかなり離れた所を通りました。京姫線が中止されたため、篠山口駅と市街地を結ぶ「篠山(軽便)鉄道」が建設されました。その後は東に伸ばして園部に結ぶ「園篠鉄道」も計画されましたが、これは結局建設されませんでした。しかしこの福知山線と山陰線を結ぶ線は太平洋戦争との絡みで国策として建設されることになり、これと同時に篠山鉄道は廃止されました。「国鉄篠山線」は早い開通を目指したらしく、篠山口から市街地の南を直線的に抜けて福住までで建設されました。目的の京都連絡は果たせず、市街地から遠い路線は利用が振るわずに、結局赤字路線整理の第一陣として昭和47年に廃止されました。

 篠山口駅から篠山市街地までは約5kmの距離。ここから福住までは15kmほど。観光用のママチャリでは厳しい距離ですが、お出かけ自転車なら観光して往復するのにちょうど良いぐらいの距離です。
 昔の「西京街道」はこの先の天引峠を越えて亀岡に向かいますが、天引峠を下った所から北東に行けば園部はあまり遠くないです。峠を越える必要はありますが、距離的には篠山へ戻るよりも園部の方が近いです。そして、このルートは計画倒れになった篠山線延伸ルート。
 という事で、今回は{未着工計画線+古い街道街+2つの廃線跡+雛祭り観光}という盛りだくさんなプランになりました。ルートを調べている中で、天引峠のトンネルの上に国道の旧道がある事が判り、ここも辿ることにしました。

[園部駅]

 新大阪から輪行。京都駅で乗り換えて園部駅まで来ました。ここから走ります。
ひな祭りのイベントの中身が判りませんでしたが、休日の方が賑わっているだろうという考えで、開幕直後の日曜に訪ねることにしました。ひな祭りの観光時間をじゅうぶん取るため、朝のやや早い時間の出発です。

[国道477号]

 駅前から国道9号で園部の市街へ進み、国道477号を西へ。青看板に篠山の地名が出てきました。

[府道54号へ]

 国道477号は亀岡の近くまで南下し、そこから豊能を経て川西へ向かいます。2013年に走ったコースに繋がる道です。
 今日は直進して府道54号に入ります。

[府道54号]

 府道は市街地を抜けると田園地帯を進みます。道が立派な割には交通は多くないですが、休日の午前中だからでしょうか。

[園部川の谷]

 府道54号の行き先に「能勢」が出てきました。この府道は国道447と国道173の間を南下して峠を越します。今日はその前に西へ折れます。

[鉄道が通ったかもしれない]

 府道54号は園部川の谷を緩く登って行きます。カーブも緩く単調な道です。国鉄の線路が当初の計画どおり建設された場合はここを通ったはずですが、蒸気機関車でもあまりきつくない程度の勾配です。自転車もアウターで楽々走れます。鉄道が建設されたなら、天引峠はトンネルになったはずです。園部駅から現国道のトンネルまでの標高差とすると、平均の勾配は15‰程度になります。最急勾配を20‰程度に抑えるなら、このあたりから登りかけなければなりません。

[天引の集落道]

 府道は国道372号と交差しますが、その手前で天引の集落を抜ける道へ折れました。
 山裾に沿って緩くカーブする道に沿って古い集落が続いています。峠道が通る谷の集落らしい雰囲気です。

[国道の分岐]

 集落を抜けてそのまま進み、国道372号に出会うところまで来ました。どうやらここが天引峠を越える国道の新道と旧道の切り替え点のようです。新道はここからトンネルに向かって直線的に登ります。旧道の入り口は間違って侵入しないように狭められていますが、この先しばらくは地元交通に利用されています。
 写真は振り返って東を向いて撮っています。遠方に見える青看板の所が府道54号の分岐です。

[峠の旧道の封鎖点]

 新道に沿って少し進んだ所。新道へのエスケープのすぐ先に緩い封鎖がありました。旧道は林道か作業道として使われているらしく、路面にはタイヤの痕がたくさんあります。
 道はここから少し勾配を増して登って行きます。ひと昔前の国道としてはありがちな程度の勾配です。ギヤをインナーに落としてゆるゆると登って行きます。

[林道っぽい]

 大きく1回折り返して高度を稼いで、そのままカーブしながら山腹を登ります。落ち葉はかなり積もっていますが、枝は少なく路面が隠れるほどではありません。タイヤ跡もはっきりしています。定期的に清掃されているのでしょうか。
 路面は林道っぽいですが、カーブの所は広く道幅が採ってありところどころ中央の白線も残っています。道路標識も残っています。

[県境の峠]

 林間を登ったところに看板がありました。ここから篠山のようです。この手前の路傍には台座に「往来安全」と彫られたお地蔵さんがありました。

[国道の標]

 旧道好きには知られた残置看板です。
 現国道のトンネルは峠の真下を斜交するように通っています。トンネルは標高で50mほど峠を下げたことになります。

[篠山側の下り道]

 峠を過ぎるとやや急な勾配で下ります。やや開けた谷間の道で、路面は比較的綺麗です。旧道区間は落ち葉と路傍の倒木程度で崩落は無し。封鎖のため4輪は通れませんが、2輪なら通り抜け可能。ランドナーには気持ち良い道でした。

[新道への出会い]

 篠山側は新道から分岐する線形に整形されていて、入り口にはオレンジ色のポールが立てられています。
 ここから新道に入って少し進み、西野々で左の集落道へ折れます。

[福住の集落へ]

 ここは京都から播磨や山陰への交通路「西京街道」の集落です。伝統的建造物群保存地区に指定されています。国道から逸れて集落の中の道を走ります。

[一里塚]

 この道は篠山から峠を越えて亀岡へ向かう街道でした。篠山藩が道しるべに置いた物だそうです。篠山城下から3番目の一里塚という事ですから、ここから篠山城の大手門までは約12km。

[福住の家並]

 福住地区では2つの古い建築がひな祭りの会場になっていました。
 イベントの際に街並を訪ねる楽しみのひとつはこういった古い建築を中から見れることです。

[国道173号]

 福住は東西の西京街道と北摂から登ってきた街道が交わる街道街。古い集落を抜けたすぐ先で、国道372と国道173がひとからみします。
 国道372は、この先を西に進んで緩い丘越えします。

[篠山川に沿って]

 国鉄篠山線の線路は丘を避けて川に沿って北側を回っていました。国道の喧噪を避ける意味もあって、こちらを通って日置へ向かいます。
 日置の集落もひなまつりの会場になっています。日置も福住も現国道は直線的に集落の外を通っています。集落内の道は拡幅されて昔の街道の道幅ではありません。

[国鉄篠山線跡?]

 日置から篠山市街へはいくつかのルートが取れます。日置を抜けた旧街道らしい道は国道372号と交差して、その先は県道77号になります。
 今回は一旦昔の街道から離れて農地の中を直線的に抜けている細い道を選びました。道筋の続き具合から見て、おそらくこれが国鉄篠山線の廃線跡でしょう。この道は県道77号と交差した先は県道306号となり、篠山口へ向かいます。

[京口橋]

 県道77号に折れて篠山市街へ向かいます。篠山川を渡る橋の名は「京口橋」。篠山の城下を出て京へ向かう橋という事でしょう。

[河原町の街並み]

 御城下の南東側。お城観光の人波からはちょっと外れた一角です。街道沿いの商家の並ぶ街並が綺麗に残っています。
 篠山市街でのひなまつりは、ここ河原町のあたりと、お城の西側の西町の2カ所の保存地区が中心で、二階町あたりのお店にもひな人形が飾られていました。観光案内所にレンタサイクルがあるようですが、徒歩で回ると、この付近だけでもけっこう広さがあります。

[城下町を出て]

 西町を出て、篠山口駅へ向かいます。県道36号はひと山越えて西脇へ向かいます。ここで左に分岐して県道299号へ進みます。この道筋が昔の「篠山鉄道」のルートに近いらしいです。

[篠山口へ]

 舞鶴若狭自動車道の丹南篠山口インターの近くまで来ました。今ではこのあたりが交通の要衝。この先、亀岡43kmの表示は県道306号から国道372号と辿るルート。篠山口の駅もあと少し。

 篠山口で自転車を袋詰め。ここから大阪方向は快速電車が毎時ほぼ2本あります。電車の時間を気にしなくても良いのは気分的に楽です。快速電車は大阪駅終着です。今回は楽をする事を考え、伊丹駅で後続の高槻行き各停に乗り換えました。大阪駅の乗り換えは混雑して階段通りますが、川西池田または伊丹駅なら同一ホームです。各停なので吹田駅(自宅には新大阪より少し近い)まで乗車しました。
 ひな人形と古い家屋や街並を見てゆっくりしましたが、園部から篠山口まで走るだけなら3時間ほどでしょう。


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